消化器内科

経鼻内視鏡検査

当院では2020年7月新クリニックに移転後から経鼻内視鏡検査を実施できるようになりました。胃カメラは口から入れる経口内視鏡と鼻から入れる経鼻内視鏡があります。経鼻内視鏡は約6mmの太さです。鼻から入れる場合は、口から入れる場合より嘔吐反射が起きにくいので、胃カメラで大変な思いをされた方も一度は経鼻内視鏡にトライすることをおすすめします。時間は鼻と喉の麻酔する時間も含めて20分から30分ほどかかります。

 

費用は、前投薬の内容、生検による病理診断の有無、処置の有無などで大きく異なります。健康保険3割の自己負担では6,000~10,000円程度はかかることが多いです。

 

検査の前日は21時まで食事は可能です。朝起きてからは少量の水は飲んでもいいです。朝に内服している薬は内服するかどうかは指示させて頂きます。血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は事前に中止するかどうかなどを相談させて頂きます。

・食道癌

喫煙歴、飲酒歴のある中高年男性に発症しやすい病気です。自覚症状は進行するまでは、ほぼありませんが、進行すると食事が通過しにくいとか飲み込みにくいや胸の違和感が出ることがあります。治療としては、内視鏡的治療(胃カメラでの治療)、手術、放射線治療、抗癌剤治療があります。診断のためには胃カメラによる検査が必要となります。当院では、2020年7月から胃カメラができるように準備しています。

・胃食道逆流症

酸性の胃内容物が食道や口に逆流し、胸やけ、呑酸、胸痛、咳、のどの違和感などの症状がでる病気です。治療としてはまず生活指導があります。食後にすぐに横にならない、就寝前の食事は避ける、減量、禁煙、節酒などがあります。薬物療法としては、胃酸を抑える薬で治療が中心となります。胸やけや呑酸症状でお悩みの方は一度当院に相談していただければと思います。

 

・ピロリ菌

ピロリ菌は、胃粘膜に感染・生息するらせん状の菌です。感染経路は、口-口感染や糞-口感染と考えられており、多くは小児の時に起こる。ピロリ菌が感染した胃粘膜は障害を受け、胃炎や胃潰瘍、胃癌などの疾患が引き起こされる。ピロリ菌

を検査するには胃カメラで胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌等の疾患が認められた場合に検査することができます。検査としては、血液検査、便での検査、呼気検査、胃カメラでの検査があります。治療にはプロトンポンプ阻害薬(胃薬)とアモキシシリン、クラリスロマイシン(ともに抗菌薬)の3剤を1週間内服していただきます。約80%の方がこの治療で除菌できますが、抗菌薬に耐性のあるピロリ菌には効きません。失敗した場合はクラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更して治療をお子います。当院でも検査から治療まで対応しています。

・胃・十二指腸潰瘍

上腹部痛、腹部の張り、食欲不振、吐血、黒色便などの症状が出る病気です。原因として、ピロリ感染、鎮痛剤内服、ストレスなどが挙げられます。診断のためには胃カメラによる検査が必要となります。当院では、2020年7月から胃カメラができるようになりました。

 

・機能性ディスペプシア

胃カメラでの検査をしても異常を認めないが、食後のもたれ感、胃痛、腹部膨満感といった症状を認める疾患です。原因は様々なものが考えられていますが、中でも、ストレスは胃腸の運動機能の低下や知覚過敏、脳にも作用し更なる症状の悪化を招くとされています。治療として、食生活の改善やストレスの軽減、薬物療法があります。

 

・胃癌

症状としては、体重減少や腹部違和感、腹痛、食欲不振がありますが、早期胃癌では無症状のことが多いです。原因は、ピロリ感染や食塩の過剰摂取などがあります。治療には、内視鏡的治療(胃カメラでの治療)、手術、抗癌剤治療があります。特に早期胃

癌の場合、手術で胃切除を行わず、胃カメラでの切除が可能な場合もあります。早期発見のために検診でバリウム検査や胃カメラでの検査が推奨されています。当院では、経鼻内視鏡による検査を、2020年7月から行えるます。

・胃ポリープ

胃のポリープは大きく分けて2つに分類されます。1つ目は過形成性ポリープと呼ばれるものです。このポリープはピロリ菌感染と関連があり、ピロリ菌を除菌すると小さくなる場合もあります。治療は経過観察ですが、ポリープから出血が疑われる場合やポリープが徐々に大きくなっている場合などは、胃カメラで切除します。もう一つは胃底腺ポリープです。こちらは、ピロリ菌に感染していない方にできる傾向があります。治療は経過観察です。

 

・大腸癌

近年、大腸癌に罹患する人は増加しています。便秘や血便、便が細くなったという症状が出ることがありますが、癌が進行しないと症状は認めません。検査には、便潜血検査か大腸内視鏡検査となります。便潜血検査は、検診などでも実施されています。簡便な検査ですので、50歳以上は毎年受けていただくことをおすすめしています。大腸内視鏡検査は、簡便ではありませんが、病変があれば組織を採取したり、ポリープが切除できたりするメリットがあります。

 

 

・大腸ポリープ

大腸のポリープは色々と種類がありますが、多いのは腺腫と呼ばれるものと過形成性ポリープである。特に腺腫は癌になる可能性があるため、内視鏡検査時に切除されることがおおいです。腺腫を切除することで、大腸癌の罹患率や死亡率を低下させるというデータがあります。50歳をすぎたら一度大腸内視鏡検査をすることをおすすめします。

 

・脂肪肝

肝細胞の中に中性脂肪が蓄積した状態をいいます。症状は無症状です。検診で肝機能障害を指摘され診断されることが多いです。肥満の方や大酒家、糖尿病の方に好発します。

診断には、血液検査、超音波検査、CT検査が必要です。当院では、食事をせずに来院された場合は、腹部超音波検査を受診日に行うことができます。治療としては、アルコールによる場合は禁酒を、それ以外の場合は生活習慣の改善や運動、糖尿病や脂質異常症の治療となります。脂肪肝も放置すると、肝炎や肝硬変に進展する場合もあります。無症状のためなかなか治療をするとういう意欲がわきにくいですが、放置せず一緒に治療していきましょう。

 

・胆石症

中高年以上の方に好発します。無症状もしくは突発する上腹部痛を認めることがあります。

胆石は胆嚢結石と総胆管結石で治療方針が変わります。超音波検査やCT検査、MRI検査で診断します。胆嚢結石の場合は、症状があれば胆嚢摘出する手術が必要です。総胆管結石は、内視鏡治療(胃カメラによる治療)が原則となります。